こんにちは、中山です。
今回はストリートファイターⅢの
プロデューサー兼ディレクターの
大先輩、貞本友思さんにインタビューしてきました。
また、貞本さんは
ブロッキングの生みの親でもあります。
作ったゲーム
過去どんなタイトルを
作られてきたのでしょうか?
また格闘ゲームとの関わりは?
ストリートファイターⅢシリーズだけ。
あと「スーパーマッスルボマー」を作ったよ
あのマットに突き刺さるやつね。
ストリートファイターVで真似しました(笑)
デビュー作はなんだったんですか?
ボスだけ。
そのあとは「戦いの挽歌※2」でデザインをやってた。
企画のお仕事は
何のタイトルが最初だったのですか?
没になったヤツ(笑) アメリカでは売ったんだけどね。
日本では
それを西谷さん※4が「マッドギア※5」に作り替えて
出してくれました。
それがファイナルファイトに出てくる
敵の組織の名前の元ネタだね。
西谷さんのデビュー作が
「マッドギア」じゃなかったかな。
レッドストームを作っていた横で
初代の「ストリートファイター」を作っていたんだよ。
僕は参加していないけれどもね。
制作現場は見てたね。
初代「ストリートファイター」を作った人は
「スパ○タンX」を作った人だよね。
そのあとカプコンで「戦いの挽歌」を作った。
その後、「ストリートファイター」。
そのあとに「無頼拳※6」を作ったんだ。
四部作だよね(笑)
僕はその後「キング オブ ドラゴンズ※7」を作ったね。
で、いろいろあって
スーパーマッスルボマーなんですね。
若手がやっていたから、サポートだよね、デザインの。
ドットは打っていないよ
容量の交渉とか、相談役だね。
なるほど、その時だと藤岡さん※8達が
新人さんだった時ですよね
そのあとは「Dungeons & Dragons※9」の
Tower of doomの方。
Shadow over Mystaraは片岡さん※だね。
その後
ストリートファイターⅢに行くんです。
ストリートファイターⅢ
その流れで言うと相当早くないですか?
ストリートファイターⅢの着手?
でも人が集まんなかったんだよ。
みんな「ヴァンパイア※11」作ってたんじゃないかな?
多分そうやね。
プログラマー2人、企画2人位、デザイナーの○さん※12の
4~5人くらいでスタートしたんじゃなかったかな。
半年くらい時間があったので
その間にやりたいこと、企画を練っていた。
本格着手が1995年だね。
ダークストーカーズと呼ばれる闇の住人達が戦う。吸血鬼や狼男などが登場。
美しいグラフィックとチェーンコンボ、ガードキャンセル等のオリジナリティあふれるシステムは後世に影響を与えた。
その期間中、
どんなところまで決めていましたか?
スーパーアーツセレクト※14をやりたい
というのは決まってた。
その2本柱で行きたいなと。
ブロッキングは基本操作の一環で
売りにするつもりは無かったんだけどね
下段攻撃に対してレバーを下(↓)に入力、空中での攻撃に対してレバーを前(→)か下(↓)に入力することにより
相手の攻撃のダメージを無効化できるのだ!
ジャンプ、しゃがみ、歩き、ガードとか
基本操作の一環という事ですね。システムと言うより。
そう、でもインパクトが強かったから
目立っちゃったね。
ブロッキング誕生秘話
そもそもブロッキングは
どういうアイデアから生まれたんですか?
本物の格闘技の中で再現したい物
って考えたんです。
それで功夫、ジャッキー・チェンとか
攻撃を受けるじゃないですか。
捌くとか弾くとかをやってみたいね、って話になって。
遊びを練ったって感じかな。
でも、システムにしたくなかったから
ただのブロッキングって名前にしました。
後はやっぱり
起き攻めとか、画面端とか
難しいと言われていたことを何とかしたかっ
た。
そこを企画の課題としてやってました。 ただ、はじめて見るとどれも大変で(笑)
だからブロッキングも
攻められっぱなしって言うのを何とかしたい
という考えも入ってます。
たとえ偶然でも弾ければ
一矢報えるみたいなのが体感できるかなと。
なのでブロッキングを出すのに
ゲージを消費したりしないようにしました。
レバーを前入れるって、
かなり挑戦的だと思ったんですけど...。
いや、ホントは
後ろにいれるはずだったんだよ(笑)
え、そうなんですか!
猛然と反発してきたんだよね。
「それは簡単すぎる!」って
早くいれればブロッキング、
長くいれればガード、
だから何のリスクも無いって。
僕は、初級者も楽しめるように
初級者でも反応が遅れて
勝手にブロッキングになれば
と考えて入れたかったのだけれど
まぁ、ものすごい反発だった。
「じゃぁどうする?」って聞いたら
「前ならやる」って(笑)
「前でつくらせろ」って言うから
「やっても良い、でも難しかったら後ろにしてね」という約束で
前で作ってもらいました。
僕は後ろになると思ってたんだけどね(笑)
でも出来たらスタッフが「これがいい!」って言って
きかないんだよ(笑)
一回でいいから後ろで試めさせてくれ!って
言ったんだけど
全然やってくれなかった(笑)
はははははははははははは(笑)
はははははははははははは(笑)
後ろのブロッキングは見たことないんだよね(笑)
まーでも、それを何とか調整で
リリースできるまで持って行ったけど
後ろにはなることがなかったという。
初級者救済のために考えていた企画が
かなり尖った物になっちゃったよね(笑)
話聞くと無茶苦茶ですよね。
でも面白くなったからいいと思います!
結果的に良かったよね。
前で。
なかやま
貞本さん