6時間目 ~コマンドの基本~
皆さんこんにちは。ストゼミ講師のMr,スキルスミスことbugです。
今回は攻撃編で少し触れた「コマンド」に関する基礎講義をしたいと思います。
コマンドの理解は必殺技を自在に出すのにとても重要な項目なので、基本編ではありますがかなりの情報量になると思います。
まずはゆっくりご覧いただき、実際に遊びながら必要になった部分から復習してもらえると良いと思います。
コマンドとは
攻撃編でちょっとだけ書きましたが、出すのに何らかの特殊な入力を必要とする技の特殊な入力自体を「コマンド」と呼びます。
コマンドが必要な技は基本的に固有アクションになるので、全体をさす場合はそのまま「固有技」と呼びます。あんまり使う場面ないですけども。
コマンドに関する暗黙の了解
コマンドリスト等にコマンドはポンと書いてあるだけですが、コマンドの前に「空中で」や「ジャンプ中」という注釈がない場合は全て「地上で」というものを省略していると思ってください。
なお、ここでいう「地上」は基本的に「立ち」と「しゃがみ」をひっくるめた意味となってますので、どちらの状態からでも出す事が可能という認識でOKです。
コマンドリストには注釈として「※コマンドはキャラが右向き時のものです」と書いてあると思います。
これ、ちょっと言葉足りないと思うんですよね。
足りない部分を補足しますと、
「キャラが左向きになった場合はコマンドの左右が逆転します」
という事になります。
左右が逆転、というより鏡面でひっくり返るという感じの方が感覚的にわかりやすいでしょうか。
コマンド方向はキャラの向きとリアルタイムに同期していて、試合中に立ち位置が入れ替わった場合はその時点でお互いのコマンド方向がひっくり返ります。
という事で、各種コマンドはしっかり左右どちらからでも出せるよう練習する必要があるわけですね。
テンキー表記
格ゲー界隈で、コマンドがレバーの方向とかじゃなくて数字とボタンで表記されている時があると思います。
例えば「236+P」みたいな感じ。
これはテキストで斜めの矢印を表現しにくい(打ちにくい)事から始まった表記法で、レバーの入力位置をPCキーボードのテンキーに見立てたものになってます。
真下なら「2」斜め前上なら「9」という感じですね。
慣れるまではイメージしにくくてクセのある書き方ですが、後の解説中に普通のレバー入力表記とテンキー表記を合わせて掲載しておきますので、一緒くたに覚えてしまうのもイイと思います。自分はそっちでした。
特殊技の主なコマンド体系
特殊技のカテゴリに属する技のコマンドは大きく分けて2つ。
①...レバー1方向+ボタン
②...ボタン同時押し
①のコマンドタイプが特殊技で一番多い感じですね。
このタイプの場合、ボタンが押される時にレバーは入れっぱなしにしておく必要があります。
レバー入れた後、離しちゃってからボタンみたいな入力ではダメという事ですね。
最終的にレバーとボタンが同時に入力されればOKなので、レバーをずーっと入れっぱなしにしておいて好きなタイミングでボタンを押せば出せます。
②のコマンドタイプはある意味一番わかりやすいコマンドですね。
指定されてるボタンを同時に押したらそれだけで出ます。
用語補足的な感じですが、ここで紹介した様な1ステップで完成するコマンドの事を「ワンコマ」と呼びます。
「ワンコマンド」を略してる感じですね。
複数の入力コマンドが必要な技よりも速く簡単に出せるので、咄嗟に使いやすいわけです。
通常技ももちろんワンコマ技なんですが、強い通常技を差す場合にも使ったりしますね。
対ジャンプ技への性能が高い通常技に対して「ワンコマ対空」とかそんな感じです。
必殺技の主なコマンド体系と諸々
必殺技のカテゴリに属する技のコマンドは大体以下の4つ。
①...レバーを複数入力してから攻撃ボタンを押す
②...レバーを1方向にしばらく入れてから指定方向へ入力して攻撃ボタンを押す
③...ボタン同時押し
④...ボタン連打
①の様な複数入力+ボタンコマンドタイプの技を「コマンド技」と呼びます。
必殺技のコマンドタイプとしては一番多いものですね。
②の様なレバーを1方向にしばらく入れてからの指定入力+ボタンタイプのコマンドを「タメ技」と呼びます。
レバーをしばらく入れておく事を「タメ」と呼ぶ事からきています。
③の同時押しですが、たまに同じコマンドでも「特殊技」と「必殺技」にカテゴリが分けられてる事があります。
この辺は出る技の性能によるのでちょっとややこしいんですが、また後の講義(必殺技編とか)を理解していく事で理由がわかってくる様になると思いますのでもう少々お待ちください。
④のボタン連打はそのまま指定されてるボタンを連打すれば出るものなんですが、意外と連打力が必要だったり、素の状態からいきなり出せない(出そうとすると最初に通常技が出るので)など、コマンド自体は簡単だけど自在に出すのは非常に難しいコマンドタイプだったりします。
さて、ここまでの話で「タメ技」もコマンド技って事になるんじゃないの?と思う人もいるかもしれません。
その通りといえばその通りなんですが、キャラの必殺技は基本的に「コマンド技」か「タメ技」のどちらかだけでほとんど構成されていて、コマンド技主体のキャラは「コマンドキャラ」、タメ技主体のキャラは「タメキャラ」といった感じにキャラのコマンド構成を説明しやすくする為に差別化した呼び方になってます。
リュウはコマンドキャラ、ガイルはタメキャラ、という感じですね。
コマンドの仕組みと出すコツ
コマンドは指定されている表記に対して左から右へ順番に流して入れていく事で完成します。
波動拳なら下・右下・右と同時にパンチボタン、というわけですね。
これはコマンドタイプに関係なく、複数入力が必要な技ならどんなものでもそうなってます。
コマンドを入れる基本的なコツとして、コマンドを「下・右下・右...」と1個ずつ確認するのではなく、コマンド自体を1つの動きとして捉えましょう。
最近のコマンドリストの表記は矢印ではなく動き自体を表現したアイコンになってるのも多いですね。
コマンドはある程度の時間内に完成させないとダメではありますが、そんなに気合い入れて入力しなくてはいけない様なものではないです。
気張らず焦らず力を抜いてさらっと入力するのがコツだと思います。
必殺技コマンドの最後はほとんどの場合レバー入力とボタンを同時に押す、というものになってると思いますが、特殊技の①とは違い、必殺技の場合は最後の指定方向入力後に別方向に入ったり、ボタンが少し遅れても出す事ができます。ここ大事。
少しといっても10フレーム程度ですが、意識してるのとしてないのとでは全然変わります。
最期は同時だ、と意識すると右へ入れる前にボタン押しちゃう人も多く、コマンドの入力順がズレて必殺技が出ない、という状況もよく見ます。
なので、波動拳であれば「下・右下・右+パンチ」ではなく、「下・右下・右・パンチ」と最後は同時ではなく、順番と認識した方が出しやすいと思います。
コマンドをきちんと完成させた後にボタンを押す感じですね。
コマンドの通称と解説
コマンドには内容に応じて通称が付いていて、そのコマンドで出す最も象徴的な技の名前で呼ぶのが通例となっています。
例えば「下・右下・右」コマンドは「波動」コマンドと呼ばれます。
コマンドの通称にボタンは含まれず、レバー入力の部分だけになります。
波動拳はパンチボタンで出す必殺技ですが、レバー入力が同じでボタンがキックになっている必殺技のコマンドを表現する場合は「波動キック」という様な言い方をするという感じです。
ではここから一般的なコマンドの通称と軽いコツなどを解説していきましょう。
画像は「コマンドの通称:矢印での表記・アイコンでの表記・テンキー表記」という並びになってます。
また、例によってコマンド方向はキャラが右向き時のものとなります。
あらゆるコマンドの中で基本というべきコマンドですね。
下からくるっと前に持ってきてボタン、というコマンドですが、レバーでやると勢い余って斜め上まで入っちゃってジャンプしちゃう失敗をよく見ます。
しっかり前までで止めるのを意識するとイイと思います。
「竜巻旋風脚」からの竜巻ですね。
これもレバーでやると波動と同様勢い余りやすいので、意識重要です。
波動コマンドを左右逆転したものなので、波動コマンドを左右どちら向きでも出せるようにしておけば波動も竜巻も大丈夫、という感じです。
「昇龍拳」からですね。
自在に出すのが難しいコマンドの代表格だと思います。
基本的なコツとしては、コマンドの意識として「前入れてすぐ波動」と考えましょう。
それだと波動拳が出ちゃうんじゃないの?と思われるかもしれませんが、技の優先順位(詳しくは後の講義にて)が高く、そういう場合は昇龍拳が出る様になっているので、安心して前まで入れちゃってOKなのです。
昇竜コマンドの逆向き版、という事で逆昇竜という呼び方をします。
竜巻と同じく昇竜コマンドを左右どちら向きでも出せる様に練習しておけば大丈夫。
ところで、ここまでで「昇龍拳」と「昇竜」といった様に「りゅう」の表記が分かれていますが、これは「昇龍拳」は技名なので正式名称の「龍」と表記しなくちゃいけませんが、コマンドの通称ではユーザー間で一番使われているものを紹介するのがこの講義の方針なので、「竜」表記にしてます。
「ヨガフレイム」からヨガという呼び方になってます。
真後ろからぐるっと半回転しつつ前まで入れます。
ポイントは波動と同様斜め上まで行かない様にするのと、←・↓・→の入力を意識するとイイと思います。
斜めは案外意識してなくても通ってくれるものなのです。
逆向きヨガコマンドで逆ヨガ、ですね。
逆昇竜と同じくヨガコマンドを左右どちら向きでも出せる様に練習して対応しましょう。
余談ですが、最近のダルシムのヨガフレイムのコマンドは逆ヨガなんです。
ヨガファイア(波動パンチ)とコマンドが被っちゃってて暴発しやすい事から変更になったんですが、コマンドの通称自体はストIIからの伝統なので変わらないんです。
なので、「ヨガフレイムのコマンドなに?」「逆ヨガパンチ」というちょっと変な会話になったりしますが、そういうものなのでお気になさらず。
これは技名じゃなくてコマンドそのものを言った方が早いパターンですね。
1回転は文字通りぐるっとレバーを1回転させる事で成立するコマンドです。
回転方向はキャラの向きに関係なく右回りでも左回りでもどっちでも良く、回転の開始位置も上下左右どこでもOKとなってます。
1回転はコツとか以前にコマンドの中に↑が入っているのにどうやって出すの?と思われる人も多いと思いますが、この辺りはかなりテクニックとか絡んできちゃうので、後の講義で詳しくやりたいと思います。
「真空波動拳」からですね。「真空」とだけ言う場合もあります。
波動コマンドを続けて2回行うコマンドで、必殺技より上位になる大技で使うコマンドです。
長いコマンドなので、速く正確に入れられる様になるには練習が不可欠だと思います。
2回通る↓と→をしっかり意識して勢い余らないように心がけましょう。
ZEROシリーズの「真空竜巻旋風脚」からですね。
真空波動を「真空」と略するんならこっちはどうなの?という感じですが、「真空」とだけ言う場合は真空波動で、こっちの場合は「真空竜巻」まで言うという感じのニュアンスを感じ取る系文言ですね。ややこしい。
例に漏れず真空波動を逆にしただけなので、真空波動をどちら向きでも出せる様に要練習、という感じです。
大技系等でもっとややこしいコマンド(逆ヨガ2回とか)もあったりしますが、基本的なコマンドに関してはここまでのものを把握しておけば大丈夫かと思います。
タメコマンドの通称
タメに対しては技名でコマンドを表現する事はあんまりないです。
これはタメの方向が基本的に2方向なので、「横タメ(後ろタメ)」「下タメ」と言えば早いし通じるからですね。
タメの「時間」について
タメ完了までに必要な時間はタイトルやキャラや技によっても千差万別ですが、横タメにしても下タメにしても基本的に丸1秒(60フレームですね)以上必要な技はまずないのと、タメが完了したらすぐ技を出す必要はなく、完了した状態でレバーを入れ続けていればタメ完了状態は維持し続ける事ができるので、まずは1秒以上しっかりタメを入れ続けて確実に出すところから始めるのがイイと思います。
タメの「方向」について
先述の通り、タメはほぼ「横タメ(後ろタメ)」と「下タメ」の2方向に分類されます。
コマンドリスト等の表記は「←タメ」「↓タメ」になってますが、実はタメ方向は斜めも含まれます。
具体的には横タメだったら「真後ろ」「後ろ斜め上」「後ろ斜め下」の3方向どこでもOK、下タメなら「真下」「前斜め下」「後ろ斜め下」の3方向どこでもOKだったりします。
ここでひとつ注目すべき点が。
「後ろ斜め下」が横も下もタメOK方向に入ってますよね。
つまり、後ろ斜め下に入れておくと横も下も同時にタメる事ができるのです。
説明書が教えてくれない驚愕の事実ですね。
さて、後ろ斜め下といえばもう一つ大事な要素がありましたよね。
そう、しゃがみガードの方向です。
て事は、しゃがみガードしていると自ずと横と下タメもできていくという事なんですね。
タメの「可能範囲」について
タメはどんな状態なら可能なのか。
言ってしまえば「いつでも可能」です。いつでも。
攻撃してる最中、攻撃喰らってる最中、ジャンプ中、ガード中、ダウン中...と色々ありますが、どんな状態でもタメは可能です。
それこそラウンドが開始する前からさえもタメれます。
そんなわけでとにかく斜め後ろ下に入れておこうというわけですね。
もうクセ付けるぐらいで問題ないと思います。
タメの「解除条件」について
ではタメ時間が解除されてしまうのはいつか。
これも簡単で、「タメ方向以外の箇所にレバー入力されたら解除」されます。
タメコマンドは技を出す時にタメ方向と逆に入れる様になっているので、出す=解除になってるのはもちろんの事、どうしても斜め前に入れなくちゃいけない状況になったり、レバーニュートラルでも解除になってしまうので、うっかり放してしまったりしても解除されます。
この他気を付けたいポイントとしては、横タメというのは相手に対して反対方向に入れるわけですが、ジャンプ等で跳び越えられて立ち位置が逆転してしまうと、その時点でタメが解除されてしまいます。
一応入れ替わる瞬間にレバーを入れ換えればタメ解除を防げたりもしますが、実戦で使える様な難易度じゃないので大道芸ですね。
逆にタメ方向であれば別方向に入れてもタメは解除されないので、例えば横タメなら真後ろから後ろ斜め下に切れ目なく入力できれば継続する事ができます。
ここでひとつ補足として、タメコマンドはタメてから逆方向に解放する様な入力になっていると思いますが、この解放の方向は3方向全てで可能、というわけではない場合があるので注意です。
といっても横タメの解放は斜め前下ではできないという事だけ覚えておけば基本的には問題ないかなと思います。
これは下タメを継続したまま横タメ技を出せちゃうと色々都合が悪いからなんですね。
また、タメ方向や解放の方向が斜め方向に指定されている様な技は、基本的には指定されている1方向だけでしかコマンドが成立しないと思ってもらっていいと思います。
左下タメ、と書かれているなら真左ではタメれない、右下解放、と書かれているなら真右では技が出ないといった具合ですね。
タメ系の大技コマンド
タメ系大技の入力で「←タメ→←→+P」みたいな入力がありますが、要素としてはここまで紹介してきたものをそのまま当てはめてもらって問題ないです。
実際タメ系大技コマンドの仕様はタイトルによってかなりバラバラだったりもするんですが、タメ方向の仕様はここまでの解説を参考にしてもらって、その後の入力については表記通りに入れる、が一番無難だと思います。
タメ系大技コマンドの特徴としてはタメの解放をしてからいくつかコマンドが必要になるというタイプになってます。
解放してからすぐにコマンドを完成させないといけないので焦っちゃって苦手な人も多いですが、力を抜いて正確に入れるのがコツだと思います。
用語解説:~要素
「~要素(~ようそ)」
上下左右の正方向に斜めを含んだものを差す場合、その方向に「要素」を足して表現します。
具体的には
上要素...真上・斜め上右・斜め上左
下要素...真下・斜め下右・斜め下左
右要素...真右・斜め上右・斜め下右
左要素...真左・斜め上左・斜め下左
こんな感じです。
「下要素に入れてればタメれる」みたいな感じで書いてあった場合は、真下・斜め下右・斜め下左のどこでもOKという事になります。
左右は前後で表記される事もあります。
前要素、とかですね。
さてコマンドの基本解説いかがでしたでしょうか。
コマンドもタメも一気にやらないとダメかなと思ったのでかなり詰め込みましたが、冒頭にある通りまず遊びたいキャラのコマンドを確認して練習してもらえるとイイと思います。
それではまた次回講義でお会いいたしましょう。
書いてる人