ダン誕生秘話
ストリートファイターZEROからの
登場ですよね。
ダンだけは
僕が入ってから決まったんです。
じゃ、伊津野さんが
生みの親なんですかね?
悪い人がいて
こんなキャラ作って良いすか?って
デザインを持ってきたんです。
ロ○ート・サカ○キさんですか。
リュウ、ケンのROMの
空いてるとこだけ使うから
容量もかからないから やっていい?って(笑)
ストリートファイターZERO2以降で
専用のフットワークとか
技とか入ったけど。
ZEROの時は攻撃以外の専用のポーズって
「余裕ッス!」※1ぐらいしか
無かったんじゃないかな。
で色んな人に協力してもらって
船水さんに確認しに行ったら
「ええんちゃう」って(笑)
「ホントにいいんですね」って(笑)
それに合わせて、調整は、もう...
個性的でしたね。
リュウ、ケンに
憧れてるだけの人でしょ
ってことで弱く作りました。
断空脚だけ、断空脚の出がかりだけ
強くしよう。
ギリギリまでひきつけて
根元を当てる感じで闘えば
何とかなるというコンセプトでした。
でも断空脚、強すぎるってなり
結果弱くなりました(笑)
両極端な隠しキャラでしたね。
意図して弱いキャラ
っていなかったですもんね。
使われて負けたら恥ずかしいダンって
感じになりましたね。
ダン使われたら
「負けられないプレッシャー」が
半端ないでしょ(笑)
ダンで乱入されたら
「おっ!」ってなりますもんね。
面白かったですよ。
一番弱そうに見える色は何?って
デザイナーさんに聞かれたんで
いやー、 ピンクと抹茶ですかね~※2
と答えたら採用されました。
余裕ッスの秘密
ポーズだけど
余りにもヤバいと思ったんで
パーフェクト勝ちの上
1/256しか出ないように設定しました。
ゲームセンターで
いま「余裕ッチ!」のポーズ...
あ、いやいや
「余裕ッス!」※3のポーズ見たよって
余りにもレアすぎて
みんなから信じてもらえない
っていうのをコンセプトにしました(笑)
当時ネットとかなかったからね。
ホント出ないですよ。
僕もバグチェックしてて
1回か2回かしか見なかった。
エンディングも絵がないんで
ありもので作りました。
ヤツですね。
衝撃的でしたね(笑)
スーパーコンボのレベル
スーパーコンボに
LV※4が導入されたじゃないですか
あれはなんでなんですか?
ストリートファイターZEROの初期には
無かったんです。
あ、そうなんですか?
スーパーコンボが各キャラに
2個づつあったんです。
へー。
割と普通の、
スーパーストリートファイターⅡXの上位互換みたいな
ゲームだったんです。
あと目押しで使えるZEROコンボ。
コンボがちょっと繋がり易くて
連続技の気持ち良さもありつつ
スーパーコンボで派手さもある。
確かに。
カジュアル層を意識した作りですね。
船水さんが考えて
ある日の夜10時くらいに突然、
「今あるスーパーコンボ、全部レベル3つにして」 って。
「あ...あ、はい。わかりました...。
何時までにやったらいいですか?」
って聞いたら。
「明日」 って(笑)
「あ、明日っスか...わかりました」
その日徹夜で全キャラのスーパーコンボ
イラスト付きの仕様書いて
次の日、半分没になった(笑)
スパルタですね。
でも、その結果ZEROシリーズ特有の
ゲージシステムが生まれたと言う訳ですね。
スーパーストリートファイターⅡXを参考にしてたから
かなり減ります。
ピリピリした戦いが出来ます。
たしかね、
ダメージ設定最大で※6
サガットのタイガーキャノンLV3を
ローズのオーラソウルスパーク LV3で跳ね返すと
即死じゃなかったかな。サガットが。
残りタイム97で
暗転→暗転→スパコンKOビカビカーン!
だったと思うよ(笑)
開幕タイガーキャノン撃った方が悪いし、
読まれて跳ね返されたら自業自得やん
ってことでOKにしました(笑)
ダメージだけでなく、ラウンド数も変更できた。まさに神の一手。
それが許されていた時代
ってのも有るかとは思いますが。
担当したキャラについて
特に企画目線で言うと
どんな感じですかね?
「ソドム」「バーディー」
「ローズ」「アドン」かな。
「リュウ」「ケン」は触らせて貰えなかった。
あからさまな二軍キャラばかりが(笑)
キャラクターですよね。
いろんなことしてやろうって
感じが出てます。
キワモノにしないと存在価値が無いんで
ローズなんか無茶苦茶でしょ。
当時やりたかった
「技跳ね返し」「分身」「昇龍拳返し」を全部やってる。
バーディーも「波動拳殺し」をしたかった。
投げ成立が0Fじゃないキャラにしたかった。
ザンギエフの投げスカリと変えたかったんだよね。
まー、色々やれて面白かったね。
新人なのに色々やれて。
その後、ZEROシリーズは
新人の登竜門的なタイトルになったんですね。
だいたい2年目くらいの子たちが
担当するタイトルになっていきましたね。
なかやま
伊津野さん