1時間目 ~ゲーム世界の時間の概念~
さて、そのワードとは
「フレーム」
嗚呼、初心者を突き放すこの響き。
昨今の格闘ゲームシーンにおいて、何となく「わかっていないと話にならない」みたいな風潮がありますよね。
実際は全然そんな事ないんですが、この「フレーム」とはそもそも何か、という話を進めていきましょう。
フレームの正体
その基準となる時間構成は実時間の1秒間を等間隔に60分割したものとなっており、その分割された時間を「フレーム」と呼びます。
実時間の1秒はゲーム世界で60フレームという事になりますね。
ゲーム世界の話では使われませんが、TVや映画の様な映像世界で言う「コマ」と同意です。
この図全体を1秒として、赤く塗られているのが1フレームという感じです。
ゲーム世界の1フレーム(※1)は約0.017秒で、この時間がゲーム世界の最小単位となりますので、それよりも少ない誤差は認識されません。(※2)
フレームはゲーム内の時間に関する要素を具体的で正確な数値として出す場合に使います。
例えば「このキャラのジャンプは全体で40フレームかかります」といった感じですね。
つまり、テレビ等の1フレームは約0.03秒となり、呼び方は同じでも実時間に変動が出るわけです。
※2...例えば割と無茶な例えではありますが、ボタンを押した状態から0.016秒だけボタンを離して押し直すと、ボタンは押しっぱなしになっているという風に取られます。
また、例えば全く同時にボタンを押すという様な状況でも0.016秒内であればズレていても誤差と認識されないみたいな事です。
(あくまで例えなのでフレーム認識開始からでないとズレるじゃんという数値マニアな突っ込みは置いといてください)
敷居が高く感じてしまう要因
「誰々の中キックをガードすると-2フレームだよ」
とだけ書かれると知らない人からすると状況が良いのか悪いのかもわかりませんが、
「誰々の中キックをガードすると相手はちょっと不利になるけど反撃できる技はないよ」
と書いてあれば、ゲームの性質がわからない人でも状況はわかりますし、実際遊ぶ情報として不備はありません。
とはいえ数値だけ書くのは文章量も減らせますし、数値から状況知識を自分で割り出せる人に対しては「後は、わかるな?」と色々含められるので便利なんですが、敷居がぐっと上がってしまうのが悩みどころというわけです。
フレーム知識は必須なのか
数値とかできっちり構築するのが好きなタイプの人には有用ですが、フレーム知識は「この技はこれで反撃できる」みたいな状況知識を割り出す為の数値なので、状況知識さえあれば数値を知っている必要はないのです。
そういうのは知識で覚えるより体で覚えた方が早いタイプの人は尚の事結果さえ知ってればいいですよね。
というわけでフレームに関してはそんなに難しく考えずに、数値だけ提示されていてよくわからない時は「結局どうなるんでしょう?」と欲しい情報を聞いたりすればOKだと思います。
与太話:フレーム話をする時は気を付けよう
ここからの文章はある程度用語を先行して書いてる部分も多いので、まだ格ゲー用語チンプンカンプンの方は雰囲気を何となくお楽しみいただき、ゼミが進行して色々理解が深まった後に再び読んでいただくと良いと思います。
昔こんな事を言われた事があります。
「発生3フレなら見てから対応できますよね」
見えねぇって。
「小足見てから昇龍余裕でした」っていう冗談を真に受けてはいけません。
単純反射(画面が光ったらボタン押すだけ等)でもできて10フレ程度が限界だと思います。
ゲームだと状況判断とか入力も絡んでくるんでもっと必要でしょう。
数フレームの差が「体感できる」のを「見える」と誤解してこんな話になってるのかなと。
個人差はあるでしょうけど体感だと3フレって結構ありますし。
フレーム数が同じでも使う所によって長短の認識が変わっちゃうのもあったりしますね。
例えば同じ3フレでも目押し猶予みたいなのだと「長い」けど、発生とかだと「短い」とか。
他によくあるのが、数値上での話と実際できる事に相異がある様なもの(数値上可能だけど実際はできないとか)を数値だけ見て断言しちゃったり、そもそも数値を間違って覚えちゃってるのに気付かず話しちゃったりといったもの。ちゃんとやってから話しましょう。
とまぁ、フレームの話だけって事もないですが、こういうのはしっかりゲームを理解してちゃんと実践できる上で話をしないと恥ずかしい事になり兼ねないので、用法用量を守って正しくお使いいただければと思います。
用語解説:フレーム
秒間60コマなら60fpsと表記されます。frames per second=フレーム毎秒という事です。
~フレ、~Fとも表記されます。というかそっちの方が多いです。
「+~フレーム」と表記する場合は該当のキャラクターが有利な状況、「-~フレーム」と表記する場合は不利な状況を表します。
【用例】
「発生5フレっすよ。」
「ガードすると-6Fです。」
それでは次回講義でまたお会いいたしましょう。