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ROUND 4:貞本友思さん 後編

ストⅢのキャラクターのデザインについて

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各キャラの誕生秘話を教えてください。

あ、その前に
なんで、誕生日を設定しなかったんですか?
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誕生日を設定しなかったのは
歳を取らせたくなかったから。
どんどん年寄りになっていったら
ストリートファイターⅣ作るときに
大変かなと思って。

そしたら、ストⅢより前の話だった、という。

その手があったか!と思ったね(笑)
その辺言い出すと大変だからね。


アレックス

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アレックス ストリートファイターⅢの主人公。Vにも登場している。
多彩な打撃技とパワフルな投げ技を併せ持つ。

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ストリートファイターって
もともと北米市場がメインじゃない
日本のリュウが
空手やっていて人気があるのと同じで
僕の中ではアメリカはプロレス、
レスラーってイメージでした。

アメリカは今でも格闘技が
人気あるじゃないですか、日本より。
だとしたら
やはりアメリカのキャラクターを
主人公にした方が良いということで
安田さんに頼んで
デザインしてもらいました。

最初は警官※1っていう設定もありました。
元プロレスラーの。
※1 あばれ刑事(はっちゃく)
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人気でそうじゃないですか。
元プロレスラーの市長※2とかいますもんね。
※2 ん、わたしだ。マイク・ハガーだ!
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そうそう。
で、安田さんがラフを持ってきてくれて
かっこいいんでこれにしましょう、となりました。
やっぱりW〇Fとか、当時の人気を反映しました。
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そうなると主人公が
投げキャラになる...という。

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そこは難しかったけど、
また、リュウのコンパチ作っても
新しくないじゃない。
リュウは出る事決めてたんで。

主人公は地味な方が良いんですよ。
聖〇士星矢でも一番地味じゃないですか。
周りの方が派手でしょ。
フェニックス、とかキグナスとか。


エレナ

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エレナ 笑顔が可愛いカポエラ使い。
体力を回復する「ヒーリング」はエレナにしかできない技だ。

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国が先に決まってました。

アフリカ出身でスタイルが良いから
男より女の方が良い。
男だとどうしても、
いかつくなっちゃうから。
いかついキャラクター他にも沢山いたし。

アフリカで女性で手足が長い...
となったら
カポエラが合うんじゃないかと。

とにかく資料が無くて大変でしたわ。
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当時、カポエラ関連の資料が
少なかった、と言うことですね。

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今みたいにインターネットで
簡単に動画検索とかなかったから。

一番情報があったのが
「世〇の歩きかた」のビデオとか
旅行関連のビデオに沢山のってた(笑)

なので取り上げられているかどうか
解んないけどイチかバチかで
片っ端から買ってました。
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イチかバチか。
大変ですね...。

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カポエラ自体が
今ほど、メジャーじゃなかったからね。
道場でもあれば見にいったんだけどね。

それでもやる!って決めてやりました。
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という意味では思い入れのある
キャラクターなんですね。

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ともかく資料が大変だった(笑)
その思いででいっぱいです。



ユンとヤン

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ユンヤン 中国拳法を使う双子。
2ndから必殺技などの変化で完全に別キャラクターに。

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彼らは
はじめから人気を狙ったキャラでした。
主人公と比べると派手ですし、
ブロッキングでカンフーのやりとりを
やりたかったと言うのもあるんですが
そういう意味では、一番思い入れのある
キャラ達ですね。
少年で若いっていうのもポイントですね。
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1P、2Pでキャラ違いとか
かなり凝ってましたもんね。



ダッドリー

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ダッドリー ダンディで紳士的なボクサー。
薔薇の剪定、紅茶を飲む、車を運転する時ですらグローブを外さない。

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まず、ボクシングは、イギリスで現在に通じる形に
完成して「紳士のスポーツ」という話があります。

今までのボクシングキャラは、敵役というか、
ボクシングのイメージあまり良くないなと。

紳士のスポーツというキャラも見てみたいなと
それも発祥のイギリスでお願いしましたら、
わりと最初からダッドリーな感じで出て来ました。

一番すんなり決まったような記憶があります。


いぶき

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いぶき 恋多き女学生忍者。
忍びの里で育つ。忍具や体術を使った戦いを得意とする。

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いぶきは今までにない、
ちゃんとした忍者だなって思ったんですよ。

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うん、
こっちは資料が多かったから(笑)

さすがに日本なんで
骨法とか忍者とか、
本屋行ったら沢山資料があったんで。

まー、いぶきは髪の毛つけるのが大変だった。

他のキャラの2割3割増して
キャラ容量が多かった。
全部に髪の毛パーツつけなきゃいけなかったんで。
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え、貞本さんが髪つけてたんですか?
別パーツの髪の毛を?

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そう。
髪の毛が数パターン用意してあって
人手がないもんだから僕が。
一日一日ちょっとづつね。
みんなの手を借りてやりましたね。
何か月もかけて付けました。

最初にデータ見たときに
「髪の毛大変そやな、頑張って」って言ったのに
数か月後、付けたのは僕だった、というね(笑)
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大変でしたね...。
じゃ、いぶきは「そういう思い」のキャラ。

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「そういう思い」のキャラです。



ネクロ

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ネクロ 電撃放出と伸びる体を持つ戦士。
ギルが率いる秘密結社に改造された悲しき戦闘兵器。

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ネクロは
やっぱりストⅡと相対させて
キャラクターを考えているので

やっぱりダルシムですよね。

ダルシムが腕伸びるのは、
ヨガの神秘なんですけど
同じこと普通の人は出来ないので、
ここだけちょっとSFっぽいんですが
改造人間と言うことで
まぁ、ギリギリなんとか。

ガールフレンドの設定とか作ってね。
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エフィーですね。

エフィーはかなり初期から
考案されていたんですね。
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そうそう。
基本的にキャラクターの設定の
厚みを作るために
サブキャラは全部決めていました。
エンディングとかに出すために。
各キャラに必ず
サブキャラクターが居るでしょ?
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確かに。
沢山いますね。

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ストⅡの時代と違って
登場人物だけで話を作るのが
非常に難しかったし
キャラクターの厚み、とか二次創作とか。
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二次創作も想定されて
作られていたんですね。

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そう。
フックは多い方が良いし。

そこから気に入ってもらえても良いし。
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じゃあ、
あのネクロステージの後ろで
「バチバチッ」って
やってる巨漢の人※3にも設定が...。
※3 バチバチッ!
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あれは良くわからん。

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あっはっはっは。

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あれは、改造した博士かな。
博士にして、って言ったら
あんなんなったんじゃないかな。

もう少し威厳のある博士かな
と思ったんだけど。
まーいっか、ってなりました。
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でも、あれ以降出てこないですね。
あの博士。

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やっぱ見た目特殊過ぎたんじゃない。
使いにくい、普通じゃなさすぎる(笑)
でもそのうち
プレイアブル化とかしてよ。

ナッシュもそうじゃない。
設定でだけいて、プレイアブルに昇格。
サブキャラ達にはそういう思いもあったんだよね。
人気が出るならば
ファイターとして出せるわけなんで。
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あの博士以外、
ですよね。

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あの博士以外(笑)

ショック!
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オロ

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オロ 仙術を極めた謎の老人。
アマゾンの奥地の洞窟に住んでいる。リュウに興味があるらしい。

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最初のテーマは
「ブラジルでグレ〇シー柔術」で発注してたんです。

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あ、そうなんですか。

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デザイナーの方から
デザインが上がってきて。

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全然発注と
違うじゃないですか(笑)

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幾つかのデザインの中にオロがあって
「コイツ、凄いな...」と言うことになって

「コイツ、動かしたい!」って言う
キャラマンもいて、
最終的に「イイね」ってなりました。


ショーン

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ショーン ケンに弟子入りした青年。
姉のララはストVに登場した。

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ショーンは最初からいたんですか?

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最初からはいなかったね。
ただやっぱりキャラクターの数が...。

ヒューゴーが間に合わなくて
2ndに後ろ倒しになったので。

やっぱりコンパチキャラで。
このキャラもハンデをつけるための
施策だったんです。

上手い人が

「俺ショーンやるから対戦しよや」

と言って貰えれば
友達同士なら対戦してくれるかなと。

やっぱり
ハンデつけるなら弱い物を
用意するしかないですよね。

なのでショーン。
ショーンは弱いから弟子って設定にしました。
弟子なら弱くていいだろ、ってことで(笑)

結局ストⅡの時代は「対戦台」が出る前までは
「1人プレイ」が主流だったわけじゃない。

ストⅢ、まぁヴァンパイアもそうだけど
その頃になるといきなり「対戦」じゃない。
そうするとやっぱり「錬度の差」が出てしまう。

最初は「1人プレイ」やってくれ!
なんて言えないじゃない。
だからの施策だったんだけどね。

やる人はスタートダッシュでやり込む、
そこの差はなかなか埋まらないんだよね。

今は仕事でスマホのゲーム作ってるけど
その点に関しては
今も昔も変わらないかなって思う。


ギル

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ギル ストⅢシリーズのボス。
秘密結社の総統であり、「天帝」と呼ばれる存在。赤と青。

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赤青の人が生まれた理由を知りたいです。
赤青黄の最初三原色かなと思ったんです。

ユーザーさんの意見でも
アレックスがトムを倒した「金髪」の男を
探しているじゃないですか。
でも「金髪」の前に赤青だろって(笑)
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(笑)
最初は赤青じゃなかったんだよね。

ベガみたいに「悪人」じゃなく
二面性があるキャラクターにしたかった。
世界を支配しているが
「悪人」でも「善人」でもない。
その辺がベガとの対比で出来た。
ベガと絡むと大変だし、めんどくさいからね。
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ストVではその辺、回収しました。
大変でしたよ...。
もーなんで
ベガ出てこないんだよ!ストⅢでって
思いましたから。
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はっはっは(笑)

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ベガは「独裁者」なんだけど
最終的にはやっぱり
「格闘家」なんだろうなと思っていて
ギルは「格闘家」ではないな、と思ったんです。
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そうね。

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そして、ギルは唯一不思議な力を使える。
ダルシムのヨガファイアは
幻影じゃないですか。
そういうのを超越した存在なんだろうな、
と考えていました。

「氷」の力って人間では再現で
きないじゃないですか。
「炎」だったら摩擦などで
嘘っぽいですけど説明できますよね
そういう未知の領域まで踏み込んだ
ボスなのだろうなと思ってました。
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ダンジョンズ&ドラゴンズの時から
「炎」と「氷」を使うキャラクターを
作りたかった、と言うのはあるよね。
指摘通り「氷」は出せるキャラって
作るの難しいよね。
ギルはちょっとSFっぽいね。

実は当時の企画で 少しだけ考えていた事なんだけど
「属性」ってのがあったんだ。
「火・風・水・雷」とかね。
スーパーアーツにも取り入れようとしていたんだよ。
ストⅢで出来なくても、
次回作へのパスとして実験してたのが残っている。

さすがに、
「属性」「新キャラ」「ブロッキング」って
一気にやったら、
ついてこれないなと思ったんでやめたんだ。


当時の格闘技とゲーム

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昔はジャッキー・チェン、ブルースリー、
K-1、プロレスも地上波でやってたし
格闘技が身近にあったんだけど、
最近はゲームの方が身近だもんね。

僕は格闘技を再現したい
って気持ちがあったんです。
だからあまりコンボとか好きじゃなくて。
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時代によって好みが変わっていきますね。
コンボ好きな人は多いと思いますが。

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コンボをやる際はリズムで調整してました。
良いリズム、良い音がしたら強い。
野球と一緒で良い音がしたらホームランだ、
みたいなね。

長くやっていると「音」が一番大事だなと思う。
コンボが好まれるのもそうじゃない?
攻撃はやっぱり「音」だよ。
真・昇龍拳なんて「音」だけで調整したからね。

キャラバランスだけじゃなく
やっていて楽しい、が重要だからね。
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どうしても「競技化」していくと
キャラクターの強さが平均化していきます。
ゲームなんだから
もっと好き勝手キャラを作っても良いのに
と思ったりもするんですが。
「見た目の説得力」「競技性」
「面白い事の提案」「見た目の解りやすさ」
が格闘ゲームでは重要視されていきますね。

それはそうと
「攻撃」だけじゃなく「やられ」※4
沢山考えられていますよね。
※4 ダメージを受けた際のグラフィックの事。
ストリートファイターⅢでは「やられ」だけで40P近くの資料がある。
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ゲームは基本
「行ったことに対するリアクション」
だから。

格闘ゲームだったら「やられ」じゃない。
ただ、「やられパターン」作るの
面白くないんです(笑)

やっぱり
「攻撃」に時間も容量も割きた
い って意見が大半だよね。
なんで、企画は書いてみたけど
実現はしなかったね。

それでも、
「キリモミやられ」と「ひざ崩れKO」だけ
やってもらったんだよ。

そしたらデザイナーさんから
「ひざ崩れKO、面白いですね」と言われ
「だから言ったじゃん」ってなったんだけど
時間オーバーでできなかった。

「キリモミやられ」は
もっと派手にしたかったんだけど
「起き攻め」の関係で出来なかった。
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「マンホールアウト」※5とか
面白いじゃないですか。

※5 こんな感じ。
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でもね
作るのが大変なんだよね。

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それ用のマスクかパターン描かないと
いけないからですね。

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まぁそんなんで
そういった特殊なリアクションは
背景でやってもらいました。
ラーメンどんぶりが落ちるとかね。

それでも嫌がられたけどね(笑)
懇願して「ラーメンだけでも...」ってね。

そしたらデザイナーさんから
「ラーメン、面白いですね」と言われ
「だから言ったじゃん」ってなったんだ(笑)
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同じ流れじゃないですか(笑)

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でも背景は時間内に収まったから
色々できました。
最初の一個を作ってもらうのが
大変なんだよね(笑)

ホントは波動拳をブロッキングしたら
「奥に弾く」というのをやりたかったんだ。
ただ技術的に難しい、ということでね。
上手い人は狙って奥の花瓶とかを壊して
スコアがもらえるとか
やりたかったんだけどね。

割とみんな真面目なんで
「勝負が公平に」とかその辺に注力してたね。
さっきの「競技性」に通じるのかもしれないけど。

だからジャッジメントギャルズ※6とか
作ったけどあまり出番がなかったね。
※6 パネルでどっちが勝ったか判定してくれる。
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「ダブルKO」「タイムオーバー」
珍しかったですもんね。

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最初はもっと出てたんだけど
調整進むと、どんどん出なくなっちゃった。
まぁ、そりゃそうなんだけどね(笑)

真面目に極める、をやりたい人が多かった。
「ラーメン」も「ギャルズ」も
要らないって言うね。

でもそうなると、
初心者が入る隙間がなくなっちゃうからね。
そこは大事にしたかったんです。
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両方に響くのが良いですよね。
「世界観」が好きな人半分
「競技」が好きな人半分いて
と言うのが理想ですよね。
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そうだね。
ただ、「ラーメンが落ちる」くらい
勝負に関係ないから
良いと思うんだけどなぁ(笑)

どちらも両立させるために
「ショーン」や「スーパーアーツセレクト」
があったんだよ。
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「理由づけ」と
「納得度」ですね。

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まぁ、

作っているときには
解らないもんだよね(笑)


というわけで
ストリートファイターⅢシリーズの生き字引、
貞本さんにお話を伺いました。
ブロッキングやキャラクターの誕生秘話などなかなかレア。

貞本さん、ありがとうございました。
皆さんも読んでいただきありがとうございました!
また次回!

なぜ後編が
遅くなったかと言うと...。


ストリートファイターと
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詳しくはコチラ!

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■こたえてくれた方■
貞本さん
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■きいた人■
なかやま
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