こんにちは、中山です。
今回はストリートファイターZEROの生みの親の一人で
「ジャスティス学園」
「ドラゴンズドグマ」
「DMC」を作り出した
先輩ディレクターの
伊津野英昭さんにインタビューしてきました。
自分が入社して二番目に担当したゲームで一緒になり
かれこれ十数年仲良くして頂いている
頼れるアニキです。
ZEROから生まれる...
伊津野さんが
ストリートファイターZEROに
携わるきっかけを教えてください!
30分早く出社して掃除するんですよ。
で、掃除がちょっと早く終わるんで
部屋でずっとゲームするんですよ。
NE○-○○○※1の(笑)
元々対戦格闘好きなんで
K○F94ばっかやるんですよ(笑)
○○○-GE○のゲーム
ばっかりじゃないですか!
だってカプコンの
ゲーム遊ぶのは仕事だから(笑)
もちろん就業時間外ですよ。
なるほど。
カプコンのゲームですよ。
当時はバグチェックの部署が 無かったから
自分たちでやってたんだよね。
そんな感じで
ほんと入社一年目に上司※2に
ポンポンって肩たたかれて
「ストリートファイター クラシックやらんか?」
って言われたんです。
「ストリートファイター クラシック」?
そうそう略して「SFC」って言って。
スーパーファミコン全盛期の時で。
へー。
移植する気満々でスタートしたはずです。
当時の企画書にも
「SFC」って書いてあります。
まぁ当時、BENGUSさんが描いていた
初代ストリートファイターの
キャライラストがあったんで
これでゲーム作ろうかって話になっていたんです。
ストーリーを考える先輩がいて、
全体を見る船水さんがいて。
でも、企画マンがいなかったので
「やらんか?」って。
一年目ですよ。やらないかって。
すごいですね!!
格闘ゲームは遊ぶけど作ったことが無い。
でも「やらんか?」と言われたので
「やります、やらしてください!」と
前のめり食い気味に...。
それが後の
「ストリートファイターZERO」ですね。
携われないタイトルだった
「ストリートファイター」を
作れるなんて!というね。
「ストリートファイターⅢ」も
開発スタートしてたんですよね。
【本当】のエースたちは
そっちにみんな行っていて
人がいないってのもありましたね。
それと合わせて
CPシステムII基板が出始めて
余っているCPシステムⅠ基板の
在庫処理で作ってくれと言う話もありました。
これ、書けへんな(笑)
あ、
もう安田さんのとこで書いちゃいました。
当時2D格闘ゲーム最強基板
CPシステムII(以下 CPS2)があったにも関わらず
CPシステムⅠ(以下 CPS1)で作るというね。
結果、すごいヒットして
CPS2版もあったんですよね。
在庫処理で(笑)
でもレンタル基板なんで、
レンタル終わったら戻ってくる。
だから
在庫がずーっと残っているという。
なので今度は売り切りで出してくれと。
そもそも
スーパーファミコンに移植する気で
作っていたから、
移植はしやすかったんです。
当時珍しいハイブリッドプログラムで
CPS1とCPS2で
画像の表示の仕方が違うんです。
それぞれの基板で
見た目は同じなんだけど
表示の仕組みが違うという。
でこれがまた
もう一つオチがあって
売れるもんだから
またレンタル版を作っちゃう。
えええ、
せっかく売り切りを作ったのに?
さらにレンタルも作るという。
で
レンタル版が戻ってくる。
在庫が全然減らなかった(笑)
それが後々の
ZERO2とか作っていく布石となったんだよね。
結果、CPS2ボードの
延命になったんじゃないかな。
その時すでにストリートファイターⅢは
CPシステムⅢ(以下 CPS3)で作っていたからね。
ストリートファイターZEROが出なかったら のちに続く
CPS2のタイトルはなかったんですね。
すごくて
CPS3で正当な続編
ストリートファイターⅢという切り札を作りつつ
CPS2では
「ヴァンパイア」
「スーパーマッスルボマー」
「X-MEN」が並行で作られているという。
さらに続けて「MSH」と
格ゲーマニアが 驚くタイトルばかり。
それまではカプコンは
あれだけ格闘ゲームが流行っているのに
ストリートファイターⅡシリーズしかない
というイメージで
対して○N○さん※3は
いろんな格ゲーを出していたわけで
「カプコン何やってんだ!」
自分もユーザーさんもそう思っていた。
でも、中に入って
「おおおお、すげえぇ!」
えげつない数のプロジェクトが走ってるって!
空中を自在に飛び回って
エリアルレイブをきめるタイトルの横で
驚くほど滑らかなアニメーションをする
タイトルがあって...
さらに投げ技フィニッシュで
地面に突き刺さるゲーム※4も
あったわけですね!
KA-BOOM!ってね。
その頃が色んな格闘ゲームの
開発スタートだったんだよね。
入社試験の日が
スーパーストリートファイターⅡXの
ロケテスト※5だった。
当時アーケードなのにTVCMやってたからね。
実写の!
キャミィが
すごいかわいかったですね。
若い力
硬派でマニアックな
イメージだったじゃない。
それに対してS○Kさんの格ゲーは
カジュアルでユーザーさんに近い
ユーザーさんが欲しいものを
素直に提供する身軽さがあったと思うんです。
○○○○スペシャル※6とかさ。
伊津野さんは、空中から相手を踏みつけるキャラと、パンツの人使いだそうです。
理由は○○伝○2のSFC版で超必殺技のボタン同時押しがやりやすかったから とのこと。
なるほど。
だから、新人の若手の
ユーザーさんに近い感覚が残っている
考え方が残っている、
という意味での抜擢だったのかなと。
面白いですね。
その時BENGUSさんも若手として?
もうバリバリ絵を描かれてましたね。
ストリートファイターZEROのポスターを描いたのも
僕の同期で1年目(笑)
いや、凄いですね(笑)
船水さん、凄い張り(チャレンジし)ましたね。
最初からカプコンの
売り上げをどうにかしろ、 というのじゃなくて
基本、在庫処理だから
新人使いながら
やりたいこと
やったらいいんじゃない?
という感じだったのかな。
だからいい意味で
チャレンジできたんじゃないかな。
納得いかへんくらい
アニメーション少ないとか
塗りも、ベタに近いとかだったけどね。
開発期間も
メチャ短かったんですよね。
ちょうど阪神大震災直前の
12月ぐらいにチーム入って
年あけた5月には
アメリカでロケテスト(笑)
実質半年くらいですよね?
リリースしたのは
夏くらいだったから。
...いや、無理ですね。
今では(笑)
キャラクターのアニメーションは
先行してやってたから、
もうちょっとかかってるかな。
当時はプロデューサーという職業もないし
コスト意識もなかったんだけど
とにかく、サクッと作って出す
という感じでした。
そうかー。
それで大ヒットですもんね。
えれぇ給料上がったんじゃないですか?
上がってないよ(笑)
ファイナルファイトのキャラクター
ファイナルファイトのキャラが
登場しているじゃないですか?
それって何か理由があるんですか?
ファイナルファイトが
ストリートファイター '89※7じゃない。
初代ストリートファイターと
ストリートファイターⅡの間に
ファイナルファイトがあるからです。
同じ世界観でストⅡ前夜を
作りましょう、という話だったから
自然な流れだよね。
キャラの選定自体は
アニメーションを作るために
自分が入る前に決まってました。
1989年稼働だったので年号が入っているのだ。
ストリートファイターとファイナルファイトの世界はつながっている!
そんな中でもソドムって
えらいピンポイントな...。
めちゃめちゃ強かったから※8 。
余りにもみんなの印象に残ってたから
じゃないかな(笑)
みんな日本刀で
斬られまくってたんだろうね。
でも、そこからなかなか
ダイキョウバーニング※9には
発想がいかないですよ。
摩擦で燃えるっていうのは
理にかなっていて好きでした。
ゲームセンター○○○※10と
同じ原理だよね(笑)
なかやま
伊津野さん