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傘が語る大きな雨音

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2021.07.16

「バイオハザード:インフィニット ダークネス」の制作秘話をお届け!

7月8日より「バイオハザード」シリーズ初の連続CGアニメ「バイオハザード:インフィニット ダークネス(以下「インフィニット ダークネス」)」がNetflixにて配信開始となりました。
この記事を読んでくださっている方々はもうご視聴されたでしょうか?視聴済みの方もまだ観ていないという方にも「インフィニット ダークネス」をより楽しんで観て頂きたいと思い、今回はエグゼクティブプロデューサーの小林裕幸さんにインタビューをしてまいりました。
制作の裏側やここでしか聞けない話をたくさん聞いてきましたのでぜひご覧ください!

では早速インタビューの内容に移りたいと思います。

 

── 今回「インフィニット ダークネス」の制作に至った経緯を教えてください。

小林 元々CG映画を3本(※「バイオハザード ディジェネレーション」・「バイオハザード ダムネーション」・「バイオハザード:ヴェンデッタ」)作っていましたが、今度は映画とは違う形でやりたいと「バイオハザード:ヴェンデッタ(以下「ヴェンデッタ」)」のプロデューサーと話をして、結局配信という形でNetflixさんに決まりました。世界同時配信ができることと、連続ドラマの形式で配信できるということが後押しとなりました。

── 本作のこだわりやその実現に向けて苦労した点があれば教えてください。

小林 本作は連続ドラマにしたということで、各話に終わりがあるため次を観たくなるような繋がりを脚本段階から意識して制作しました。ホワイトハウス、潜水艦、中国、研究所など見ただけでどの回なのかが分かるような構成にしております。作っている途中もシーンを入れ替えたりしてよりドラマチックに話が終わるかを意識しておりました。なので、一本の映画とは異なる見せ方になっています。

── ドラマ形式だといかに気になって続きが見たくなるかが大事ということですね。今作は時系列でいうと「バイオハザード4」と「バイオハザード5」の間ということですが、この時系列を選んだ理由はどういったものなのでしょうか。

小林 監督が決まる前にまずキャラクターに関してレオンを出したい、そして女性キャラも出したいということとなりレオンとクレアに決まりました。そして「バイオハザード」の時系列の中で二人が一緒にいておかしくなくて、なおかつ他のキャラクターが重要事件などに関わっていないタイミングを考慮しました。監督を交えて話した際に、レオンが1998年の新米警官だった頃と2014年の「ヴェンデッタ」で描いた長きに渡る戦いで疲れた頃のちょうど中間を描きたいということになり、2004年にエージェントとしてアシュリーを救出したというファンの皆さんが知っている出来事の2年後の姿を描いたらどうでしょう?ということで、2006年にゲームで描かれていないホワイトハウスで事件が起こるという形になりました。物語内では間もなくクリスとジルがスペンサー邸に突入するような時間軸で、レオンとクレアは違う事件に関わっているということを取り上げました。

── まずは登場するキャラクターを決めて、そのキャラクターが出演しても内容として問題ないという観点から時間軸を選ばれたということですね。今作はアシュリーの父であるグラハム大統領が登場しますが、彼が登場することになったのはどういった経緯でしょうか。

小林 2006年のホワイトハウスを舞台にすると大統領がでてくる、となるとグラハム大統領の任期中なのでアシュリーのお父さんを出すことができる!となりました。開発チームと相談して正義感あふれる大統領として登場することになったので、「バイオハザード4」のファンの皆さんには喜んでいただけると思います。彼が演説するシーンがあるのですが、ここもこれまでの「バイオハザード」にはないアメリカの連続ドラマのような雰囲気のある場面なので注目して欲しいところですね。

── 惜しくも没になってしまった設定などがあれば教えてください。

小林 ペナムスタンを描く際、レオンとクレア以外にキャラクターを出せないかという話がありました。その中で「バイオハザード0」に登場したビリーを出せないかという相談が初期の段階でありましたが、設定が合わなかったため見送ったという経緯がありました。ビリーファンの方々にとっては残念な結果となりました……。

── ビリーは元軍人なのでペナムスタンの戦場に……という設定があったのですね。出演できなかったのは残念ですが、ビリーの名前が出てくると思わなかったのでそれだけでも嬉しいですね!
今作はドラマとサスペンスを前面に押し出した内容となっているとのことですが、どういった経緯で内容を決められたのでしょうか。

小林 「ヴェンデッタ」の時にホラーへの原点回帰を狙って冒頭はホラー、後半はアクションに重きを置いてファンの皆さんのご要望にお応えしました。前回はそれでやりきった感があり、今回はサスペンス色を強めたいとの構想があったので、そのジャンルの作品に定評のある羽住監督に依頼させて頂きました。
もちろんホラーテイストやアクションもありますが、これまでのゲームでは描いていない会話劇に注目して頂きたいです。2006年時点のレオンが語るラクーンシティ事件の時の心情は初めて聞くことができる情報となるので、ファンの皆さんに喜んでもらえる内容になっていると思います。

── レオンが語るラクーンシティ事件についてはファン必見の場面ですね。他に小林さんがここはぜひ見てもらいたい!と思う一押しポイントはどこでしょうか。

小林 レオンとクレアがホワイトハウスで偶然再会する場面は見どころの一つです。実は二人で一緒に行動するシーンはそれほどないのですが、共演シーンに注目して頂ければと思います。二人は別々に事件を追いかけて結果的に同じところにたどり着く、そう考えるとゲームに近いかもしれませんね。

── 過去作と比較して、本作ならではの良さはどういったところでしょうか。

小林 過去にCG映画を3作品作ってきて、今回は連続ドラマという形で初めて羽住監督とお話した際、私の方が最初は少し構えてしまいました。しかし「バイオハザード」ならではの設定をお伝えすると、非常に柔軟に対応して頂きました。実写の監督さんならではの手法と思ったのが、「実際にカメラが置ける位置からしか撮影しない」という部分にこだわりを感じました。CGであれば非常にクリアに撮影できるのですが、実際に撮影する場合はそれほど綺麗に撮れない場合もあるので、敢えて実写のような見せ方をしている場面もあるとおっしゃっていました。そのため、CGアニメながらも非常に実写に近い「バイオハザード」のCGアニメができたと思っています。一度視聴された後に、今お伝えしたような部分を意識しながら観ていただくとまた違った印象があると思います。

── では最後にこの記事を読んでくださっている皆さんに一言お願いします。

小林 「インフィニット ダークネス」は全世界で配信されていますので、ぜひご覧になっていただければと思います。本作をきっかけに未来のレオンが見たいとなれば「バイオハザード6」や「ヴェンデッタ」、クレアであれば「バイオハザード リベレーションズ2」に登場し、過去の二人を見たいとなれば「バイオハザードRE:2」に登場するので、この「インフィニット ダークネス」を軸に他の「バイオハザード」作品に触れてシリーズ全体の世界観を改めて楽しんでいただけると非常に嬉しいです! 約25分×4話で映画一本分ほどのボリュームなのですが、オープニングは各話ごとに微妙に違っております。Netflixにはスキップという便利な機能がありますが、ぜひ飛ばさずに観ていただきたいです!笑

── 小林さん、ありがとうございました!
皆さんもぜひ一度「バイオハザード:インフィニット ダークネス」を視聴してみてくださいね!

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